内定辞退者に聞くべき「3つの質問」

内定辞退者に聞くべき「3つの質問」

採用活動の中で内定通知後、辞退をされた場合の対応方法について整理しています。”内定辞退者”が出ないように対応することが大切ですが、結果として辞退になる学生も出てきます。こうした場合の対応方法をまとめました。

内定辞退の連絡を受けた時

新卒採用活動業務の中で、強く徒労感を感じる瞬間が「内定辞退の連絡を受けた時」ではないでしょうか。長い時間をかけて進めてきた採用業務がこうした結果になると、電話やメールでもつい感情的になったり、逆に事務的な対応に終始することもあるのではないでしょうか。しかし、”内定辞退者”の声は次年度の採用戦略を立案する際の“ヒントの宝庫”です。内定辞退は残念な出来事ではありますが、次年度の参考になるヒントを一つでも獲得しておいたい場面でもあります。このコーナーでは、「内定辞退の連絡を受けた時の対応」と「聞いておきたい3つの質問」についてまとめてみました。

内定辞退者には「謝意」を、次に「協力依頼」を伝える

内定辞退の連絡なのか、内定辞退を考えているという相談の連絡なのか

最初に「内定辞退の連絡なのか、内定辞退を考えているという相談の連絡なのか」を確認することが重要です。「内定辞退を本人が決断したうえでの連絡」であれば学生の気持ちを変えることは難しいですが、中には「悩みながら連絡している」場合もあり、この場合は引き留めることも可能になります。ここでは、学生本人が辞退を決断している場合の対応法について記載していきます。

まずは、内定辞退者に謝意を伝えます。「内定辞退者へなぜ謝意を?」と感じる方もいらっしゃると思いますが、内定辞退者から貴重な情報を得るには、まず内定辞退者が「内定辞退をして申し訳ないので、少しでも協力をしたい」という心持ちになってもらう必要があります(心理学で「返報性の法則」と言われています)。辞退者は緊張し不安を抱きながら内定辞退の連絡をしてきます。そこで「内定辞退を受理した旨」「当社に関心を持ってもらったことに対する謝意」を伝え、学生を緊張感から解放してあげることが大切です。

その上で「せっかくのご縁なので、是非当社のこれからの採用に協力してもらえないだろうか。いくつか教えてほしいことがある」旨を伝えてください。内定辞退者と内定承諾者はLINEやメール等でつながっていることが多く、内定辞退者への対応は内定者にも伝わります。併せて内定辞退者は「次年度の応募者の先輩」であり「将来の顧客・転職者」でもありますので、そうした意味でも、内定辞退後も貴社のファンでいてもらうことは大切と考えます。ただし、電話ではそのまま下記の質問に移行しますが、メールの場合はメールで確認するのではなく、後日電話をさせてもらう旨の承諾を得るようにしてください(メールでだと学生の本音をひきだすのが困難です)

質問1:どこに、決めたのか?

内定辞退者に聞くべき「3つの質問」-1-01

内定辞退の連絡を受けると、まずは「内定辞退の理由」を確認する場合も少なくありません。しかし、いきなり辞退理由を聞いてしまうと、「選考中の会社から内定をもらえたので」「家族の意見を尊重しました」と当たり障りのない回答となり、その先の質問がしづらくなります。電話で確認した情報は口外しないことを伝えた上で、「どこの会社に決めたのか?」をストレートに聞くことをお勧めします。もし社名を教えてもらえない場合でも、「同業種か異業種か」、同業の場合は「自社より企業規模が大きいところか小さいところか」、異業種の場合は「その業種名」を確認すると、次年度の採用戦略の参考となります。

質問2:なぜ、他社に決めたのか?

就職先の社名を確認した後に、「その会社に決めた理由」を聞くことをお勧めします。 ただし「なぜ○○社に決めたのですか?」と聞くと、「より志望度の高い企業でしたので」「周囲のアドバイスもあったので」と曖昧に答えられた場合にそれ以上の深いヒアリングができなくなります。「○○社のどういった点に魅力的に感じたのですが?」など、具体的に答えやすい質問にすることをお勧めします。学生によっては、「企業規模・待遇」などの会社概要・募集要項について回答する場合もあれば、「現場の方が丁寧に説明をしてくれて、共感をもった」といった採用活動の手法について回答する場合もあります。内定辞退連絡の電話でこれ以上深くヒアリングするのは難しい場合ことが多いですが、「採用活動」について言及された場合は翌年の採用プロセス改善点に直結しますし、「会社規模・待遇」について言及された場合では、「採用広報内容」「会社説明会での訴求ポイント」を変更することで、採用戦術を改善することもできます。

質問3:当社の採用活動で改善したほうがいい点は?

学生は内定を辞退して申し訳ないと思っているので、採用活動の不備・改善点を求めても採用スタッフの方に忖度し不備・改善点を明確に指摘しないことが多いです。そこでお勧めしているのが、「当社の採用プロセスで、自分に合わないかも、と思った時はありましたか」という聞き方です。「自分に合わない(=良い悪いではなく、自分自身の志向の問題)」という聞き方をすることで、採用プロセスの改善点を引き出しやすくすることが可能です。ただし物事の受け止め方は人それぞれです。Aさんが不満と思ったことを逆にBさんはプラスに受け止めている場合もありますので、参考材料程度にとどめておくことをお勧めします。内定辞退の連絡が入った場合、是非こうしたポイントを押さえて、少しでも翌年の採用活動に活きる情報を収集していただけたら幸いです。

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