コロナによる影響と採用活動のウェブ化への対応
- 作成日 2020-05-20
- viewpointware
- 更新日 2024-08-06
2021年3月卒の採用活動においては、コロナの影響により様々な影響や変化が出ています。最大の変化は会社説明会のオンラン化(WEB説明会)と面接選考のWEB化です。現時点(2020年5月)の様々なデータを整理しながら、今後の対応策を考えるきっかけにしていただければと考えます。
2021卒学生の内定率の推移
4月上旬まで順調に進んだ選考活動が多くの企業でSTOPする事に
大学生の内定率の推移 5月1日時点
2020年4月7日に発令された「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」により埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・大阪府・兵庫県及び福岡県が規制の対象となり、その後全国へ拡大した事で、企業が実施する採用活動のほとんどが実施できない状況になりました。特に影響を受けたのが、学生との接点を持つことになる合同会社説明会と個別会社説明会、そして面接になります。この数年、早期化が続いた内定率の推移からもその影響をみることができます。
<出典>大学生の内定率の推移 5月1日時点
就職みらい研究所 内定率調査査
文系大学生の内定率の推移 5月1日時点
大学生の内定率の推移 5月1日時点
就職みらい研究所 内定率調査査
理系大学生の内定率の推移 5月1日時点
大学生の内定率の推移 5月1日時点
就職みらい研究所 内定率調査査
文系学生と理系学生を比べると、文系学生の内定率が39.7%(前年比-7.4ポイント)に対して、理系学生は59.4%(前年比―2.2ポイント)となっており、文系学生への影響が大きかったことがわかります。理系学生への採用ニーズが高い中、各社の選考が早期化していたことが影響を小さくしたと考えられます。
エントリー数と会社説明会の参加状況
対面形式の会社説明会は大きく減少
エントリー社数の推移
キャリスタ就活2021 学生モニター調査結果
会社説明会参加社数の推移(WEB開催除く)
キャリスタ就活2021 学生モニター調査結果
学生のエントリー社数は、毎年微減ではありますが、5月調査段階で26.9社となっており、この時点でのコロナの影響は低いと考えられます。一方で会社説明会は、この数年減少傾向ではありましたが、4月・5月に会社説明会を中止した影響で大きく下がっています。
約9割の就活生がWEB説明会を利用
WEB説明会の視聴経験
キャリスタ就活2021 学生モニター調査結果
WEB説明会視聴社数
キャリスタ就活2021 学生モニター調査結果
3月調査では69.5%だったWEB説明会の視聴割合は、4月以降大幅に上昇しており、5月調査では約9割となっいます。オンデマンド配信・ライブ配信ともに増加していますが、若干Live配信が多い傾向となっています。
7割以上の学生がWEB面接を経験
WEB面接の経験
選考活動の中心である面接もWEB導入が増加した事で、7割以上の学生が既に経験をしています。4月時点では、最終面接だけは、リアルの対面形式を考えていた企業も、コロナの影響が長期化する中で、WEB面接で内定出しまで行う企業が増加しており、今後更に増加すると考えられます。
<出典>キャリスタ就活2021 学生モニター調査結果
with コロナの採用活動へ
「緊急事態宣言」解除後もソーシャルディスタンスの中での採用活動が必要
ソーシャルディスタンスは、距離をとればよいのでしょうか。この距離については、コロナウイルスの感染経路が関係しています。コロナウイルスの感染経路の一つである飛沫感染は、くしゃみや咳によるしぶきによって他者へ感染をさせてしまいます。このくしゃみや咳によるしぶきが到達する距離が、くしゃみで3m、咳で2mといわれています。この距離も加味して厚生労働省では、保つべき距離として相手との距離を2m程(最低でも1m)取ることを推奨しています。
見直すべき採用活動の主なプロセス
- 合同会社説明会などイベント
- 個別会社説明会(数名でソーシャルディスタンスを保てれば可能)
- グループワーク(討議・議論)
- グループ面接
- インターンシップ(数名でソーシャルディスタンスを保てれば可能)
個別面接は、少人数でソーシャルディスタンスを保つ環境を用意する事で実施可能と考えますが、感染の第2波・第3波などを想定すると、個別面接の開催が難しいケースもあると予測し準備する必要があります。
WEB・オンラインツールの準備が必須
採用活動プロセスとオンラインツールの相性
今後、WEB説明会とWEB面接の準備が必須ツールになることは間違いありません。withコロナの採用活動を成功させるためには、こうしたツールを上手に活用していくことが求められます。採用活動のプロセス別にオンラインツールの相性を見ると以下の表になります。会社説明会やOBOG訪問・質問、職場見学会など早期のプロセスでは、「動画配信」が効果的。一方で選考過程では「WEB会議」が効果的です。Live配信は、会社説明会やOBOG質問会など大人数を対象とする場合でコミュニケーションが取れる点が大きな魅力になります。
WEB会議形式
Live配信形式
動画形式
個別会社説明会
▲少人数
◎
◎
職場見学会
×
▲
◎
OBOG訪問
▲少人数
◎
◎
グループディスカッション
〇
×
×
面接
◎
×
×
内定者ミーティング
◎
〇
×
内定者向けメールニュース
〇
〇
◎
採用担当者の負担
非常に大きい
大きい
小さい
採用担当者の業務負担を考慮
コロナ渦での採用活動はもちろんですが、採用業務の効率化を考えると採用担当者の業務負担を考慮することも重要です。「動画配信」の場合、撮影するまでの準備などは大きな負担になりますが、動画が完成した後の負担は小さく、業務効率化の効果が高くなります。「WEB会議」はシステムが簡素化されてはいますが、実際の準備や運用を考えると、毎回採用担当者が接続作業を行い、参加学生を確認しながら対応することになりそれなりの時間と手間が発生します。更にトラブル発生時の対応を考えると、総合的には大きな負担になると考えられます。「Live配信」の場合は、配信に関わるスタッフの協力を得られますので「WEB会議」の開催と比較すれば小さい負担と言えますが、毎回出演する負担がそれなりにあります。
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